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こどもの森について保育・教育

自分の子どもを入れたい園
子どもが楽しく、より発達できる園を!

こどもの森グループでは、乳幼児期においてはいわゆる小学校の前倒しの知識先行教育ではなく、探究心や思考力、表現力、粘り強さ、感情や行動をコントロールする力等のいわゆる非認知的能力を育むことがなによりも重要だと考えています。

このため①愛着②自信③意欲④自己肯定感⑤愛情(慈愛・思いやり)⑥やり抜く力⑦感性⑧善悪の判断⑨情・欲のコントロールをキーワードに、日々の生活や遊びを通して、こうした非認知能力を育む保育を行なっています。

Our CHILDCARE私たちの保育

保育の特徴①乳児は少人数担当制

乳児期に最も大切なのは人に愛され、安心して過ごすことです。一人ひとりが、安心して心地良く過ごせるよう、乳児期には育児担当制をとり、出来るだけ少人数で過ごしています。子どもとの愛着関係を作り、触れ合いを大切にしています。

保育の特徴②見守る保育

同じことを一斉にするために構築された集団ではなく、保育士はそれぞれの子どもの違いを認め、そこに寄り添い見守っていきます。子どもは自ら育つ力を持っています。
人に指示されて行動するのではなく、自分で考えて行動出来るよう、見守りつつ必要な時に援助しています。自主性や自立心・想像力や創造力・考える力を育みます。

保育の特徴③環境の保育

子どもが自発的に活動できる環境を用意しています。様々なコーナー保育を取り入れ、自分で選ぶ、決める、遊び込む経験を沢山出来るようにしています。
自分でやりたいことを選び積極的に活動に関わっていくことで自主性・自立心・積極性を育みます。またそれぞれのコーナーには受け入れ人数も決まっているので、必ずしもやりたいことができるわけではないのですが、それもまた大切な経験だと捉えています。
自分の気持ちを収めていく力、相手の気持ちも考えながらうまく解決する経験、調整力、解決力など大切な力をつけていくことに繋がっています。

長い保育時間に配慮し、お家のようにくつろげるスペースや小さな落ち着ける空間を用意しています。また、布や緑などを多く使い、家庭的な雰囲気を作っています。

保育の特徴④経験の保育

色々な経験が出来る機会を多く持てるようにしています。特に自然や社会を通して様々な経験により、子どもの興味関心を広げる機会としています。

園バスで園外を経験

法人で園バスを所有。積極的に園外に行く機会を設け、体験の中での学びを幼児期にたくさん経験できるようにしています。

異年齢児保育

様々な年齢がかかわり合う異年齢児保育を取り入れ、自然な家庭に近い関わりを大切にしています。異年齢で過ごす中で、年上の子ども達に憧れの気持ちを持ち、お手本にしながら、様々なことに挑戦していきます。
年上の子も、教えてあげたり、助けてあげたりする中で、他人に対する優しさや思いやり、また自分に自信をつける体験にもなります。いろいろな人と関わることで、社会性やコミュニケーション力などが育っていきます。

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保育の特徴⑤ダンス

ダンスは、「創作ダンス」、「フォークダンス」、「現代的なリズムのダンス」で構成され、イメージをとらえた表現や踊りを通した交流を通して仲間とのコミュニケーションを豊かにする事が出来ます。仲間とともに思いを込めて踊ったり、イメージをとらえて自己を表現したりする事に楽しさや喜びを味わう事の出来る運動です。 ・子供の成長におけるダンスの魅力とは・・ 自己肯定感が育つ 始めは人前で踊る際、恥ずかしさを感じるものですが、この「恥ずかしさ」を払拭する事が、大きな自信に繋がります。 「見る力」、「聴く力」が養われる ダンスレッスンで基本となるのは、講師の振付やポーズを真似ながら覚えていく事。そのため子どもは、インストラクターや一緒にレッスンをする仲間の動きを見て、自分の動きが合っているかを観察するようになり、子どもの観察力がアップします。 これは「見る力」の観察力だけでなく、ダンスの場合は音楽のリズムに合わせて身体を動かすので、「聴く力」も養われます。 協調性が身につき、自発的に練習する 仲間と動きを合わせる事で仲間の動きを見ながら踊るようになるので、 自然と協調性が身につきます。 表現力が豊かになる 身体を使って自分の内面を表現できる」ところがダンスの特徴であり、面白さでもあります。その場ですぐに真似できるダンスは、子どもの表現力を育てるためにはとても良い取り組みです。 脳が刺激されて“頭を切り替える力”が養われる 子どもの脳を鍛えるには、勉強や絵を描いたりすること以上に「身体をよく動かすこと」が効果的だとされています。ダンスには欠かせない音楽も、脳に刺激を与えて発達を促すので音楽に合わせて身体を動かすダンスには、脳の働きを高める効果もあると言えます。 このような事から、ダンスは単に身体能力を高めるだけでなく、子どもの精神的な成長にも様々な良い影響を与えてくれると考えています。

保育の特徴⑥ひらがな指導

こどもの森グループでは、小学校入学前に「ひらがな指導」を行っています。 就学前に「文字」を書けるようになるまでに、保育園ではその前段階として遊びを通して様々な経験をしています。乳児期には「ひねる、つまむ」などの手や指を使う遊びをします。クレヨンを持てるようになると丸を書き、点から点を結び「左から右、上から下へ、右から左、下から上へ」と自由自在に手首を動かせるようになってきます。文字を書くにはこのような遊びを通して「手首の可動域を広げる事」がとっても大切です。 また幼児期になると、沢山の絵本を読み聞かせすることで子ども達は文字への興味関心を持ち始めます。「お友だちへお手紙を書いてみたい」こういった気持ちにより「字を書いてみたい」という気持ちに繋がります。 そして年長児で「ひらがな指導」として文字の習得を始める際も、まずは「正しい鉛筆の持ち方」「正しい姿勢」そして一文字ずつの形や書き順を見ながらじっくり丁寧に書いていきます。 何より大切なのは「楽しく書く」こどもの森では「ひらがな指導」を通して子ども達と楽しく文字を書く経験を重ねています。ただお手本をみて真似をするのではなく、正しく形を捉えてから書く事で間違った書き順や鏡文字もなくなります。 また「止めやはらい、はね」もきちんと書くことができるようになります。 文字を覚えるのは小学校入学してからでも十分間に合います。保育園で大切にしているのは「字を書く楽しさの体験」「正しい鉛筆の持ち方」「ひらがなの形(書き順)を知る事」です。

保育の特徴⑦

子どもは、物を並べたりする事が大好きです。中には100まで言える子もいるでしょう。でも100まで言える子が、おはじきをみんなに3個ずつ配る事が出来ない事もあります。 また、ピアジェの実験のように、同数の花と花瓶を用意して、花瓶に花を1本ずつ挿してあると、花瓶と花は同数だとわかりますが、花瓶から花を抜いて一束にすると、花瓶のほうが多いと答える子がいます。寄せ集めて花の占める広さが変わると少なくなったと思ってしまうのです。 こどもの森グループでの数の取り組みをご紹介します。 ①どっちが多い? 5つのブロックの間隔を 『点々と並べて』も『ギュっとつめて並べて』も同じ5個ですが、子どもの場合、「どっちが多い?」と尋ねると、前者をさすことがあります。 ブロック等の具体物を使い実際に手で触れながら学ぶことで、手を動かす「実感」が子どもの理解を助け、就学後には算数の文章題を読んだときのイメージを助けることになっていきます。 ②なかまあつめ 同じ仲間の中だと足す、引くが出来ます。その概念を理解出来るように、カードや塗り絵等を使って仲間はずれを探したり、その違いの理由を考えたりします。 ③数を数える(どちらが多いか、同じか?) 実物を使ったり、絵カードなどを手で動かして対応させたりすると、多い少ないが具体的にわかるようになります。 子どもの数概念は5歳半以降に獲得するといわれています。 大人が数学や計算ばかりにこだわって教えることは子どもを数嫌いにさせかねません。 焦ることなく、「実感を伴った経験」を増やしてあげることが結果的には子どもの数量の理解を深めていく事だと考えて数に取り組んでいます。

保育の特徴⑧

自分の人生を生きる上で大切なことを身に付け、社会の一員として命の大切さを知り善悪の判断ができ、相手を敬い想う行動ができる。そして、それが当たり前にできる人に育てることが躾だと思います。 具体的には・・・ 挨拶ができる人 ・心の扉を開けて自分から歩み寄り相手の心に寄り添います。 ・相手より先に挨拶することで謙虚な気持ちが育ちます。 ・「ありがとう」「いただきます」は感謝の気持ちを育てます。 返事ができる人 ・呼ばれたらすぐに「ハイ」という返事をすることで素直な心が育ちます。 ・「ハイ」という短い返事に人の心が現れます。 履物をそろえる、立ったら椅子を中に入れる ・履物を揃え、椅子をしまう行いは自分の行動に責任を持ち、けじめをつける習慣に繋がります。 ・物を大切にするようになります。 立腰(立腰とは腰骨を立てて背筋を伸ばして座る姿勢の事です。) ・集中力と持続力を上げる効果があります。 ・気持ちが引き締まり行動が機敏になります。 相手の立場に立って考える ・思いやりの心が育ちます。 ・ルールを守ります。 ・優しい気持ちが育ちます。 毎日、丁寧に伝えることで躾が身に付き、躾が身についている人は自分を律することができ、人生が豊かになります。

保育の特徴⑨音楽

こどもの森では「歌う」「踊る」「奏でる」「演じる」といった音楽活動として、 季節、行事の歌・リトミック・楽器遊び・オペレッタ等を取り入れています。 ★季節、行事の歌→歌詞を通して四季を感じ、行事への興味関心が養われます。 ★リトミック→楽しく音楽と触れ合いながら、音を聴きとる力やリズム感などの音楽的能力や表現力を養うだけでなく、想像力や創造力、注意力、集中力、協調性などを養います。 ★楽器遊び→様々な楽器に触れ、音を鳴らす楽しさを知り、一人で楽器遊びを楽しむだけでなく、友だちと一緒に奏でる楽しさ、楽器を使って表現する楽しさを知ります。 ★オペレッタ→リズムや歌を伴った遊びに面白さを感じたり、歌・音楽に合わせて一緒に歌ったり演じたりすることで、友達と一体感を味わいます。 音楽に合わせてのびのびと体を動かすことで、 ・リズム感が育つ ・感じたことや考えたことを音や動きに表現することで、表現力が豊かになる ・手遊びや身体を動かす振りを、歌やリズムに合わせて自分たちで考えることで、動きを創作する喜びを味わう といった良い効果があります。 音楽活動を通して、感性を刺激するだけでなく、集中力、自分の動きや感情をコントロールする力を発達させ、子どものレジリエンス(困難を乗り越える力)を育むのに効果があるとされています。 感性豊かの育ってほしいと考え、音楽のカリキュラムを実践しています。

保育の特徴⑩絵本

子どもたちは絵本やお話を聞くことが大好きです。身近な大人からの読み聞かせは子どもたちにとって心地良く、楽しい時間となります。 読み聞かせには言葉や心の成長に大きな効果があるといわれています。 読み聞かせを通して育まれる力 ・言語の獲得 子どもは言葉を耳で覚えます。読み聞かせにより日常会話では使わないような言葉も学び、語彙を広げることができます。また、言葉を学ぶことで読解力、思考力が育ちます。 ・想像力を育む 絵本の主人公になった気持ちでお話の世界を楽しむことで想像力が育まれます。 ・心の成長 絵本の読み聞かせを通して、子どもは登場人物の気持ちを疑似体験します。登場人物の気持ちを理解しようとすることで、共感力が育まれ、人を思いやる気持ちが育ちます。 乳幼児期に絵本が身近にあること、大好きな保育者に読み聞かせをしてもらうことは、心の発達や学習能力に大きな影響をもたらします。 絵本は子どもたちに様々な力を育んでくれる大切な環境の一つです。 こどもの森グループでは、日々の保育の中で、絵本の読み聞かせを行い、また子どもたちが絵本に親しみを持てる環境設定を大切にしています。 年齢や発達の特徴を捉え、季節や行事、その時々の子どもたちの興味関心等を考慮し絵本を選び、毎日読み聞かせを行っています。また、保育室に絵本コーナー設け、子どもが自分で好きな絵本を選び、落ち着いた環境の中で、絵本を楽しめる環境づくりを行っています。

保育の特徴⑪自然遊び

自然遊びとは、自然との触れ合いを体験し自然の変化などを感じとりながら様々なことを学ぶ遊びです。 2017年に改訂された「保育所保育指針」で定められた「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の一つ「自然とのかかわり・生命尊重」に関わる大切な活動です。 自然と触れ合う中で「これはなんだろう!?」「きれいだな」「不思議?なんだろう!?」と様々な感情が生まれることで好奇心、想像・創造力が育まれ、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)が刺激されることで「感性」が磨かれます。 乳幼児期に五感を刺激することは大切だと言われ「生まれてから5歳までが、一番脳が大きく成長・発達する」と考えられています。自然は五感の宝庫です。自然の遊びとはどんなこと・・・!?と思うかもしれませんが、公園にある花のにおいをかいだり虫を見て興味を持ち名前を調べたり、落ち葉やはっぱで季節を感じたりすることで五感を刺激し脳の発達を促すことが出来ます。外遊び、公園にあるものを生かし保育でも意識して声掛けをし、子どもたちに気づかせていく働きをこの自然遊びを通して行っています。

保育の特徴⑫造形活動

子どもたちが、素材にふれたときに表れる表情、楽しい気分を込めたような筆跡。造形活動は子どもたちが楽しみにしている活動です。こども達は造形活動を通して、楽しい、面白い、なぜだろう?など、興味と関心を持ちます。 造形活動は、つくり、表現するだけではなく、その作品を通して、作者の考えを知り、意見や感想を言葉にすることで、豊かな社会性を育むと考えています。 もちろん新しい素材との出会い、季節の製作などにも取り組みますが、テーマが決まっていたとしても、こども達が自由な発想を形にする事を大切にしています。大人が認識している「色」とこどもが表現した「色」が異なっていても絶対に否定はしません。自由な表現をして、肯定されているという体験を積み重ねる事で、こどもは自信を持ちます。 造形表現は心豊かになる取り組みと言えます。

子ども達の未来を紡ぐ ~こどもの森の保育~

今現在、世の中はすさまじい速さで進歩と発展を遂げており、そのスピードは私たちの想像をはるかに超えています。家庭用にコンピューターが普及してから20年程経ちましたが、今や当時とは桁違いに小型化・高性能化したスマートフォンを誰もが持ち歩き、街中に張り巡らされた無線ネットワークを使い、世界中どこの人とも好きな時にLIVEでコミュニケーションがとれることが当たり前になっています。こんな未来を一体だれが想像したでしょうか。きっと今年生まれた子ども達が成人するころには誰も想像していなかった世界に変わっている事でしょう。 そんな時代に生きる子ども達に、私たちはどんなことを伝えていくべきなのでしょうか。どんな逆境にも立ち向かっていくことのできるやり抜く力「GRIT」。自制心や心の回復力「レジリエンス」。自ら新しい世界に飛び込んで楽しみながら学ぶ「好奇心」。善悪の判断や人を思いやる「道徳心」。あげればキリがありませんが、これらは試験などで点数化することができる「認知能力」と違い、数値化できない目に見えない性格スキル「非認知能力」と呼ばれ、近年改訂された小学校以降の新学習要領にも「生きる力」としてその重要性が謳われています。 そしてこの非認知能力は特定の習い事やカリキュラムで育っていくものではありません。子ども達が日々生活をしている中で経験するすべての時間に、子ども達の非認知能力を伸ばす出来事が沢山散りばめられており、相互作用的に様々な力が伸びていくのです。残念ながらこの重要性に気付いていない大人がそばにいると、毎日溢れているチャンスを逃してしまう事になります。ちょっとした大人の手助けや声掛けで子どもの非認知能力は飛躍的に高まる可能性があるのです。 子ども達の成長にとって大切なのは「なにを伝えるか」だけではなく「どう伝えるか」。「なにに取り組むか」だけではなく「どのように取り組むか」なのです。 こどもの森の保育園では子ども達が本来持っている輝きを最大限に引き出すため小さな瞬間まで見逃さず、様々な視点からひとりひとりと真剣に向き合いながら、園ごとに特色のある多岐に渡るカリキュラムを実践しています。子ども達が漫然と活動をこなすだけになってしまわぬよう、取り組み方にもこだわるのがこどもの森式の保育の特徴です。商業的に園のカリキュラムに習い事を取り入れるのではなく、夢中で楽しめる環境づくりを意識し子ども達の心に興味の種をできるだけ多く撒くことこそが習い事の本質であり、子ども達の未来を彩る豊かな「経験」になると考えています。その質の高い「経験」こそが、次世代を生き抜く子ども達に必要な財産になることを信じて、私たちは日々子ども達の為を想いながら保育にあたっています。

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目標を達成するために必要なやり抜く力GRIT

グリット(GRIT)とは、「やり抜く力」または「粘る力」だと定義されている言葉のことです。困難に遭ってもくじけない闘志、気概や気骨などの意味を表す英語で、社会的に成功している方たちが共通して持つ心理特性として、近年注目を集めています。教育現場では知的能力を測る最適な方法としてIQが用いられていますが、学校で高い成績を収める秘訣は、IQや能力の高さではなく、時間をかけてじっくり取り組んで習得しようとする情熱こそが大切だとされています。 グリットとは、 生まれ持った才能・知能は関係がない 失敗を恐れず挑戦することが重要 長期間、継続的に粘り強い努力を要する という考え方。努力を重ねることで身につく後天的な能力「やり抜く力」のことをいうのです。 ~失敗への解釈の違いが粘り強さを生む~ 私たちの園では子どもたちの「GRIT」に働きかける様々な取り組みを行っています。代表的なものとしては、跳び箱・鉄棒・マット・縄跳びなどの課題を目標クリアに向かい長期にわたって継続してチャレンジし続ける習慣づけです。これらの活動は設定した目標をクリアすることよりも、取り組む過程をとても大切にしています。 人は失敗に対して「自分の能力が足りなかったから」という思考に陥りがちです。しかし、幼少期から「できなかった」ということに対して「やり方を変えて頑張ってみる」という考え方を植え付けてあげることで、失敗に対して無力感を感じずに別の方法で努力すればいいという解釈ができるようになってきます。この解釈こそが「GRIT」の力の源となるのです。 とある科学者の実験でこんなデータがあります。「成功体験だけ(褒められるだけ)のグループ(A)」と「解釈改善を施すグループ(B)」に分け、数週間にかけてテストを行いました。Aグループは結果に関わらず褒美を与え、Bグループには「もう少しできたのではないか?もっと頑張れたのではないか?」と指摘をして、共に試行錯誤して課題に取り組む姿勢を説きました。 その後、もう一度様々な難易度の入り混じったテストを行うと、Aグループはあっという間に難しい問題に対して降参してあきらめてしまうのに対し、Bグループの生徒たちはそのような問題に対しても粘り強く自発的に挑戦するように変化していったのです。つまりBグループの生徒たちは、「失敗は自分の能力ではなく、もっと努力が必要だったのだ」という解釈ができるようになっていたのです。 つまり、「GRIT」を育てていくには子どもたちを近くでサポートする環境がとても重要だということです。こどもの森グループではそこに着目し、「何に取り組むか」ではなく「どう取り組むか」にスポットを当て、生涯にわたって役立つ「やり抜く力」を獲得してもらえるような関わりを日々実践しています。

子どもの意欲に大きな影響をあたえる好奇心

好奇心は人間を最大限成長させてくれる原動力です。常にアンテナを広く張り、自ら物事に向かって能動的に動くことは人生を幅広く、豊かなものにしてくれます。そしてその好奇心の度合いは乳幼児期の周囲の働きかけにより大きく変化すると考えられています。また、好奇心に関する学術研究において多くの点で意見が対立する中で、ほとんど異論が認められないのは、「人間の好奇心は個性ではなく状態だ」という点です。 つまり好奇心は子ども達が触れる環境によって大きく左右されることが近年の研究で明らかになり、関わり方次第で人の好奇心を大きく育てることも、逆に台無しにしてしまうこともあるということがわかってきているのです。 ~子どもの好奇心を引き出す種まき~ こどもの森グループでは、ダンス・造形表現・自然・リトミック・科学遊び等々、多ジャンル渡る遊びのプロの外部講師を招いて実際に園の子ども達と遊んでもらう機会を設けています。研修という形で系列園の職員もその活動に参加し、内容を各園に持ち帰ることでさらに園の活動の引き出しが増え、子ども達の興味・関心の幅を広げるきっかけとなっています。 子どもの好奇心を引き出すうえで大切なのは、「やらされる」という受動的なものではなく、「やりたい」という能動的なマインドです。周囲で関わる大人が楽しそうに物事に取り組む姿を見せることで、子ども達の表情はより一層輝きます。 そんな活動を経て溜まった知識や経験は、後の好奇心を爆発的に増大させる起爆剤となるのです。人間の脳には「少しだけ知っている」ことに対して反応し、情報を取り入れようとする性質があります。ちょっとした会話の中に出てきた単語などにも「この言葉は知っている」と脳が活発になり、もっと知りたいという知識欲・好奇心が湧きやすい状態となるのです。 ある学者が好奇心について、「子どもが乳幼児期に発する未熟な質問について両親をはじめとする「周囲の養育者がどう応えてきたか」という環境によって差が出る」ものだと考え、乳幼児を2つのグループに分け、①グループには子どもの指差し行動に対して丁寧に応え、②グループには指差し行動に対してでたらめを言ったりわからないふりをするという実験を行いました。 すると①のグループの子どもはどんどんと指さし行動が増えていったのに対し、②のグループ子どもたちは目に見えて指さし行動が減っていったのです。これらからわかることは、乳児期から子どもは指さし行動により視界に入るものに興味を持ち、周囲の大人に答えを求めながら知的好奇心を満たそうとしている点であり、有益な情報を与えてくれない無知で頼りない大人には相手にする価値がないと高度な判断をしていたのです。 私たちはこのように本来子ども達が持っている知的探究心を大切にし、興味関心を引き出す環境作りを心がけています。十人十色の子ども達は、それぞれが違う視点で世界を見ています。そのことに周囲で関わる大人が気付き、探求の手助けをすることで子ども達の世界は何倍にも広がります。こどもの森ではそんな子ども達のワクワクする気持ちを大切にしています。

しなやかで強い心レジリエンス

「レジリエンス(Resilience)」の元々の意味は、回復力、弾性という意味です。弾力のあるゴムタイヤを押しつぶしてもすぐに元の形に戻る、あるいは竹やぶが強風に煽られて大きくしなっても、折れることなくまたすくっと立ち直る、そんな回復力のことをいいます。 レジリエンス研究の第一人者であるペンシルベニア大学ポジティブ心理学センターのカレン・ライビッチ博士は、レジリエンスとは「逆境から素早く立ち直り、成長する能力」と定義しています。日本では、打たれ強いこと、折れない心、心のしなやかさ、といった表現で表されることが多く、これらの力を伸ばしていくには、過度に子ども達をストレスから遠ざけるのではなく、ストレスを受けるような出来事に遭遇した際に立ち向かっていけるよう、心の持ちよう「マインドセット」を変えていくような働きかけが大切なのです。これはアメリカの病院で行われた過去の研究でも明らかになっています。 このレジリエンスに着目した私たちは幼児教育の場面で子ども達の次の「3つの心」を大切にしています。 1、元気な心:体も心も元気で、明るく生きる心の力 「生活習慣」「明るい心・ユーモア」「自信」「自尊感情」「忍耐力」「豊富な直接体験」 2、しなやかな心:大嵐でもぽきりと折れてしまわないやわらかな心の力 「楽観性・プラス思考」「柔軟性」「自分力」「感謝する力」「つながる力」「ストレス対処」 3、へこたれない心:困ったことがあって落ち込んでも、立ち直ることのできる心の力 「夢や目標」「立ち直れる自信と見通し」「生きる意志」「道徳的信念や信仰」 レジリエンスは特別な能力や知能指数に比例するものではなく、様々な心の力が合わさったもので、「これをやればレジリエンスが必ず育つ」という性質のものではありません。レジリエンスとは多くの要因が絡んでくる「総合力」とも言いかえることができ、それは様々な出来事に立ち向かう子ども達のそばでサポートする大人の言葉掛けが大きく影響します。だからこそ私たちはひとり一人の個性を尊重しながら心に語り掛けることを意識しています。集団生活をする保育園ですが、例えば20人のクラスを「20×1の一つの集団」として捉えるのではなく、「それぞれの個を持った1×20の集まり」という認識で私たちは子どもたちを捉えています。 乳幼児期からマインドセットを意識して周囲の大人がサポートすることで、子ども達が卒園してもずっとその先、社会に出た時に通用するようなしなやかな心を持てるはず。そしてそのしなやかな心で子ども達の未来がより豊かになるということを、信じて今日も子どもたちと過ごしています。

学力テストでは測れない生きる力非認知能力

「非認知能力」という概念は、2000年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者ジェームス・J・ヘックマンによって提唱された、試験などで測ることのできない社会情動的能力(性格特性)の総称です。ヘックマンはアメリカのミシガン州の幼稚園で行われていた就学前プログラムの研究を行い、このプログラムを受けた子ども達とそうでない子ども達を40歳になるまで追い続け、収入や学歴、犯罪率などを調べました。するとプログラムを受けた子ども達はそうでない子ども達と比較すると、収入や学歴は高く、犯罪率が低い結果となりました。そしてヘックマンは研究を進めていく中で、これらの要因はIQの高さによるものではなくプログラムを通して数値化が困難な特徴や性格特性などの力、すなわち“非認知能力”の獲得・向上によるものだと気づいたのです。ヘックマンらは「能力」を試験や検定、測定などで数値化できるものとそうでないものとで区別し、前者を「認知能力」、後者を「非認知能力」とし、「能力」に対する解釈の幅を大きく広げました。 そして昨今、この「非認知能力」という概念が国内外の教育現場において多くの関心を集め、加速度的に変化していく現代を生き抜いていくうえで「非認知能力」に目を向けた教育・保育が重要視されているのです。

非認知能力を伸ばす仕掛けをプロセスに目を向ける

非認知能力を伸ばすには何か特別なプログラムを組めばいいというわけではありません。大切なのは「結果だけ」ではなく「プロセス」なのです。例えばそろばんなどの認知的な能力を磨く活動であっても、できたかできないかの結果を見るのではなく、できた場合は「なぜできたのか」、失敗してしまっても「何が原因だったのか、次はどうすればうまくいくのか」という行程を子ども自身が気づけるような働きかけをすることで、「体験」が「経験」に変わり、今後の様々な活動において相互作用的に活きてくるのです。

日常の中の最高の教材質の良い遊び

友達との関わりを持ちながら試行錯誤し、失敗とチャレンジを繰り返す遊びは幼児期にとって貴重な時間となります。そんな子どもにとって大切な遊びですが、子どもに直接的に働きかけるのではなく、子ども達の興味・関心を引くような仕掛けや、発達や成長を促すような環境を意図的に用意し、自発的に物事に接する機会を増やす間接的な働きかけでその効果は飛躍的に向上します。 自ら考えて「楽しい!」と思うことに夢中になることが、子ども達にとって何よりの成長材料です。そんな何気ない遊びの中から、非認知能力は育まれているということをしっかりと認識し、質の良い遊びを提供するための環境設定にグループ園全体で取り組んでいます。